印章資料館は、ハンコの里と呼ばれる市川三郷町(旧六郷町)にある施設です。
印章資料館の中には、ハンコに関するいくつもの寄贈品や寄託品による展示物が並んでおり、見る物によって異なる魅力や発見をすることができます。
本記事ではそんな、印章資料館の基本情報や、実際に展示されている品々を紹介。
知られざる世界一のものや、印章資料館ならではの特注品についてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください♪
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【印章資料館】基本情報・住所・アクセスほか
ホームページ | https://www.rokugoinsho.com/ |
住所 | 〒409-3244 山梨県西八代郡市川三郷町岩間2160 |
電話番号 | 0556−32−2159 |
アクセス | 車 六郷I.Cより5分 |
入館料・開館時間など
入館料 | 無料 |
開館時間 | 平日 9:00〜16:00 土日祝 10:00〜15:00 |
休館日 | 年中無休 *12月〜3月臨時休館あり |
混雑状況 | 混雑なし |
バリアフリー | 無(入り口に段差あり) |
駐車場(10台)
駐車場は印章資料館の目の前にあります。
印章資料館(市川三郷町地場産業会館内)とは
印章資料館は、市川三郷町地場産業会館の中にあるハンコ専用の展示室です。
印章資料館の館内には、古くに使われた貴重な印章や印影作品などが展示されており、ハンコにまつわる歴史や伝統をその目で確認することができます。
印章や印鑑・印影の違い
印章(いんしょう) | 字が刻印された本体のことを指す |
印影(いんえい) | 押した際に残る朱肉跡のこと |
印鑑(いんかん) | 銀行や役所などに登録された印章の朱肉跡 |
ハンコは印章と同じ意味で使われます。
市川三郷町(旧 六郷町)は日本一のハンコの里
印章資料館がある市川三郷町の岩間地区は以前、六郷町と呼ばれる町にありました。
この六郷町は元々、明治時代に地域の産業として水晶の印章に着目し、全国を行商しながら印章の重要性などを広め、ハンコの販売によって繁栄した町です。
印章の販売に力を入れる一方で、制作の技術に卓越した職人も多く輩出し、六郷町はいつしか印章の生産数で全国の60%を占めるようになりました。
そのため市川三郷町の岩間周辺は、現在でも「日本一のハンコの里 六郷」と呼ばれ、作られる印章は山梨県の地場産業の1つに数えられています。
印章と印影にまつわる数々の展示品を鑑賞
印章資料館では、印章と印影にまつわる展示品を鑑賞する事ができます。
1室にいくつものショーケースが置かれていますので、1ヶ所1ヶ所を回りながら、各出展品を確実に見ていきましょう。
古い印章やハンコの制作に使う工具などの実物を見る
印章に関するものは、古くに使われていたハンコや制作時に利用される材料、工具などがあり、物によっては実際に触る事も可能です。
印章には、江戸時代に使われていた木印(もくいん)や、指の形をした珍しいハンコもあるので、1つ1つを眺めていても飽きることはありません。
中には、明治時代に使われていた印章の通販カタログもあり、現在とは異なる時代背景を感じることもできます。
材料に使われるとして、木材だけでなく象牙やオランダ水牛、水晶やメノーといったものも出展。
各素材における質感や色彩、光沢感の違いにも注目です。
印章にまつわる展示品
- 古くに作られたハンコ
- 印章に使われる材料
- 制作時に使用される工具
- 実際に使われた印鑑の通販カタログ
- 印章の作り方を記した文献など
印影の違いや印譜を身近で観覧
印影にまつわる展示品では、文字ごとの印影の違いや印譜の作品を観覧する事ができます。
文字ごとの違いでは、1つの文字に対して最低3つの印影が見られ、自分の苗字による違いを探すのも面白いです。
印譜に関する展示物は多く、印章資料館では現代の作家や、明治・大正時代に活躍した、印刻師の繊細で芸術的な逸品を見る事が可能です。
印譜(いんぷ)は、印章の印影を使った書籍や、美術鑑賞を目的に作られたものを指します。
印譜によっては、エジプトの壁画のようなものや、昆虫の模したような形もあるので、1つ1つのデザインも要チェック。
掛け軸の全面に移された印譜や、ノート大の大きさの紙に1つだけ押された印譜もあるので、一言に印譜といってもそれぞれに違った印象を受けます。
印譜の緻密な作りは、近くで見れば見るほど凄さがわかるので、目を凝らしながら観覧しましょう。
印影に関する展示品
- 印影の文献
- 印譜による作品
- 文字ごとで見る印影の違いなど
篆刻家初の文化勲章を受賞した「小林 斗盦」の印譜もあり
印譜の作品の中には、印章を制作する篆刻家(てんこくか)で、初めて文化勲章を受賞した「小林 斗盦(こばやし とあん)」の印譜も公開されています。
木版に写した長文の翻刻本(ほんこくぼん)や、1つの印章で5文字以上の印影が現れる印譜は必見の価値あり。
老子や孔子といった、中国の思想が記された印譜があるので、芸術と合わせて思想家の教えも学べます。
古銅印の印譜集「十鐘山房印挙」を一挙に閲覧
印章資料館には、「十鐘山房印挙観覧システム」という端末が設置されています。
この十鐘山房印挙観覧システムには、中国のコレクターが収集した2000年〜2500年前の古銅印による印譜集「十鐘山房印挙(じゅっしょうさんぼういんきょ)」が収録。
古銅印は青銅で製作された古代のハンコです。
30挙191冊にも及ぶ膨大な数の古銅印譜を、余すことなく閲覧する事ができます。
今回はシステムが停止していたので見本を観覧。
印譜の中には、文字とは思えないような形の印譜もあるので、絵を見るような感覚で作品を鑑賞する事ができます。
十鐘山房印挙観覧システムでは、各印譜の原本や解説文などをカラーモニターで見る事ができます。気に入った印譜の画像を印刷することも可能なので、稼働している際は利用ましょう。
日本一の巨大ハンコは必見の価値あり
印章資料館(市川三郷町地場産業会館)の入り口前には、2m平方で高さ3m、重さ3tにも及ぶ、世界最大の巨大なハンコが設置されています。
巨大ハンコは昭和62年に制作された物で、印影は武田信玄で知られる、風林火山の一部「不動如山」。
制作の様子が入り口に飾られていますので、興味がある人は巨大ハンコと合わせて観覧しましょう。
不動如山の印影をプリントした限定Tシャツも販売
また、印章資料館では巨大ハンコの印影である「不動如山」を印刷した、限定Tシャツを販売しています。
胸元には65(六郷)の数字が入っており、オリジナル感も満載。
サイズはS〜LLで、1,000円から買い求めることができます。
オノオレカンバや象牙などを使った印章の受注生産も行っています
印章資料館ではハンコの受注生産も行っています。
素材は、
- オランダ水牛
- ゴム
- 黒檀
- 水晶
- オノオレカンバ
といったものから選ぶ事ができ、字体も好みに合わせて刻印してもらう事ができます。
オノオレカンバは、「斧が折れるほど硬い」強度をもつ木材です。
金額はリーズナブルな2,700円の物から、70,000円の高級品までと幅広く、価格帯に合わせての注文も可。
印章職人が手作業で制作してくれるので、「市販のハンコは嫌だ!」という人は来館を期に、特注の印章を注文しましょう。
まとめ
印章資料館は、ハンコの博物館とも呼べる市川三郷町の施設です。
印章資料館の中には、ハンコにまつわる数々の展示品が並んでおり、印影を使った作品や、古くに使われていた水晶や、木印の印章などを目にする事ができます。
2000年以上前に残された古銅印の印譜や、世界一巨大なハンコもあったりと見所豊富。
印章職人に印章を手掛けてもらうこともできますので、興味がある人は是非足を運んでください。