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山梨県の無尽(むじん)とは?システムと歴史を徹底解説

山梨県には無尽(むじん)といわれるローカルルールが存在します。

一見すると不思議なローカルルールかもしれませんが山梨県民にとっては生活に欠かせないものとなっています。

今回は山梨県の無尽についてご紹介いたします。

 

まとめ情報だけ見たい方はページ末尾をご覧ください。

無尽(むじん)とは?

無尽(むじん)とは、月1回程度特定のメンバーで集まって飲み会や食事会を開き、その際に食事代とは別にお金を徴収して積み立てる山梨県独特の文化のことです。

積み立てたお金はメンバーが順番に受け取ったり、グループで旅行などをするときに役立てたりして活用されます。

また、積み立てなどの金銭的なやりとりをせず、単に特定のメンバーで定期的に集まって飲み会を開くことも無尽(むじん)と呼ばれています。

無尽(むじん)は複数参加OK

山梨県民が参加する無尽(むじん)の数は、1人あたり1〜3つといわれています。

  • 学生時代からの友人
  • 職場の同僚
  • 趣味の仲間

など、気の合う人同士で開かれます。

性別や年代を問わず、さまざまな人たちが交流している趣味関係の無尽も存在します。

幹事は持ち回りで居酒屋や飲食店の予約や人数の管理を行いますが、飲み会だけでなくキャンプなどのアウトドアに出かける場合もあります。

無尽(むじん)は最強の口実!?

女性同士の無尽はいわゆる女子会と同じようなものですが、家庭を持つ女性も「無尽に出かける」と言えば夫や子どもが快く送り出してくれるそうで、無尽がいかに山梨県民に大切にされている文化かうかがえます。

会社などでも「今日は無尽なので」と言えば残業を免除されるところもあります。

【さらに詳しく】無尽(むじん)のシステム

無尽でお金を積み立てる場合は、その日集まったお金をメンバーの1人がすべて持ち帰りますが、それを全員に行き渡るまで集まりを続けるのがルールです。

たとえば、10人グループで1人1万円の会費を集めて、半分をその日の食事代に使い、もう半分を持ち帰れば5万円の臨時収入となります。

無尽の大きな特徴のひとつは、このお金の使い道が自由であることです。

持ち帰った分は貯金をしたり、自分のほしいものを買ったりすることができます。年に数回、特別なボーナスをもらえるような感覚のイベントとなっているのです。

受け取る順番もポイント

毎回1人がお金をもらえるということは、もちろん早く受け取ることができる人と最後まで待たなければならない人が発生するということになります。

先ほどの例でいうと、最初に受け取りたい人は1万円の会費に1000円プラスしなければなりません。

すると2回目に受け取る人の金額は10万1000円、3回目に受け取る人は10万3000円と徐々にお金が増えていき、結果的に最後に受け取る人が一番大きな金額、つまり利息分をもらうことができます。

一方、旅行や忘年会の費用にするなど、目標金額とお金の使い道を決めて積み立てを行うグループもあります。

毎回、食事代に少しプラスする程度の負担なので、おのおので貯金するよりも気軽に、着実にお金を貯めることができます。

無尽(むじん)の歴史

無尽が始まった時期は鎌倉時代にまでさかのぼるといわれています。

当時は助け合いの精神を元に、まとまったお金が必要になった際、お互いに援助し合う庶民同士の融資制度として運用されていました。

たとえば災害や病気による困窮者の救済などがこれにあたりますが、ほかにも寺院の設立や建て替え、公共事業といった事業振興を支援する現代のクラウドファンディングのような役割もありました。

そのほか、冠婚葬祭などの個人的な理由で急にお金が必要になったときの貯蓄として、病気で働けなくなったときや家畜が死んでしまったときの保険としてなど、無尽は現代の銀行、保険会社、証券会社を包括した役割を果たしていました。

親戚、友人知人、地域の人たちが寄り集まってお金や物を出し合うという相互扶助の精神から始まった無尽は、共同社会を維持するために大きな役割を背負っていました。村単位での生活を大切にしていた当時の人々の中でも特に山梨県では住民同士のつながりが強く、それが山梨県で現代にいたるまで無尽という文化が受け継がれた理由といえます。

この融資制度は江戸時代まで発展し続け、その後、明治に入ると営利目的での無尽が増えて業法化されます。

明治以降は現在のような西洋型金融システムが確立していきますが、それまでは無尽が金融システムの主流でした。現在もなお無尽業法という法律に基づいて経営され続けている法人が一社のみ存在しています。

個人間の融資制度はなくなったものの、仲間で集まり助け合うという形が発展して残ったのが無尽という文化といえます。

無尽は東日本では「無尽講(むじんこう)」、西日本では「頼母子講(たのもしこう)」、沖縄県などで「模合(もあい)」とも呼ばれています。

山梨県民に無尽(むじん)は憩いの場

山梨県の飲食店は、看板やホームページなどのいたるところで「無尽承ります」とアピールする広告を出しています。

「毎月第3土曜日にこの店で」などと、無尽は決まった日時と店で開かれるケースが多いため、居酒屋などの飲食店にとっては無尽の開催場所として利用してもらうことができれば、一気に常連を大人数獲得するチャンスになるのです。

無尽は単なる飲み会・食事会の場にとどまらず、高齢社会となった現代の日本に有用な場としても機能しています。

山梨県内の交通の便が悪い地域では、高齢者が無尽を開いて集まるタイミングに保健師が訪れて健康相談を受けつけたり、血圧を測ったりしているところもあります。

「無尽に参加していろんな人と話したり思い出話をすることで認知症予防になっている」と話す高齢者も多く、無尽はコミュニケーションの場としてはもちろん、健康管理を意識する場にもなっており、山梨県民の健康寿命を延ばす一助となっているのではないでしょうか。

まとめ

  • 無尽は山梨県のローカルルール
  • 無尽は集まったものでお金を積み立てて順番に受け取るもの
  • 無尽は1人1~3つ参加している
  • 無尽は鎌倉時代から始まった
  • 山梨県では集まりのきっかけで大切なコミュニティの場
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