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エネルギーの地産地消とは?メリット・デメリットや具体事例まで解説

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エネルギーの地産地消という言葉を聞いて、どのようなイメージを持ちますか。

地域で創ったエネルギーを地域で使うことだと意味は分かっても、どのような取り組みなのか具体的にイメージしにくい言葉ではないでしょうか。

本記事では、エネルギーの地産地消について、言葉の意味や取り組みの事例、メリットとデメリットなどについて詳しく解説します。

この記事でわかること

  • エネルギーの地産地消の意味と目的がわかる
  • エネルギーの地産地消のメリット・デメリット
  • エネルギーの地産地消の具体的な取り組みがわかる

一般的な地産地消については下記のページをご覧ください。

参考【図解】地産地消の意味とは?メリット・デメリットまで徹底解説

地産地消という言葉を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。 地産地消は地域の活性化に繋がったり、近年問題になっている生産地偽装や環境問題を解決するため非常に有効な取り組みで、地産地消に取り組 ...

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エネルギーの地産地消とは?

エネルギーの地産地消とは、電力などのエネルギーを地域で創り、地域内で消費しようという取り組みのことです。

一般的な意味で使われる地産地消のエネルギーバージョンです。

エネルギーの地産地消の主な取り組みとしては、

  • 自治体と電力会社の共同出資による新電力会社の設立
  • 再生可能エネルギーの地域内供給

などが挙げられます。

電力の生産・供給を地域内でまかなうことで、災害時の電力エネルギーを安定的に確保すると同時に、エネルギーの効率的活用や地域経済の活性化を目指すことができます。

エネルギーの地産地消が普及した理由

エネルギーの地産地消は、東日本大震災の後から特に注目され始めた取り組みです。

大規模集中型の電力システムは広範囲にわたって電力を提供できる一方、災害によって供給源に不備が生じると、必要な電力を供給出来なくなってしまい広範囲に大きな影響を与えます。

こうした災害時のエネルギー供給を安定化させるため、エネルギー供給源を分散させようという問題意識から、エネルギーの地産地消が注目されるようになりました。

エネルギーの地産地消は再生可能エネルギーを活用することが主流なので、環境に優しい取り組みとしても同時に評価されるようになりました。

エネルギーの地産地消メリット

エネルギー供給の安定化

エネルギーの地産地消の一番のメリットとして挙げられるのは、災害時のエネルギー供給の安定化です。

エネルギーの供給源を分散化させることで、大規模災害時に起こる広域停電などのリスクを低減させることが可能です。

またエネルギーの分散化は、

  • 風力
  • 地熱
  • 木質バイオマスガス
  • ゴミ焼却時の余剰エネルギー

など、再生可能なエネルギーが主な供給源となるので、環境に配慮した取り組みとしても評価されています。

地域で利用出来るエネルギーを効率的に活用することで、緊急時の電力供給をまかなうと共に、持続可能な地域社会づくりに貢献するのです。

▼再生可能エネルギーとは?▼

温室効果ガスを排出せず、国内で生産できることから、エネルギー安全保障にも寄与できる有望かつ多様で、重要な低炭素の国産エネルギー源

再生可能エネルギーとは?

地域経済の活性化

エネルギーの地産地消には地域経済を活性化させるというメリットもあります。

火力発電、原子力発電などの大規模集中型の電力システムは、多くの地域に電力を供給します。すると地域住民が電気代として支払ったお金は、首都圏にある電力会社へ流出してしまいます。

エネルギーの地産地消はこのようなお金の流出を防ぎ、地域内でお金を循環させることで、地域経済を活性化させます。

つまり、エネルギーを商店街で買い物するように買ってもらい、お金を地域に落としてもらおうという取り組みなのです。

地域の雇用も創出できる

エネルギーの地産地消を本格的に推し進めるのは、地域に密着した電力会社や、自治体などが共同出資して設立した新電力会社などです。

そのため、エネルギー分散化の事業が強く推進されることで、新たな産業と雇用の創出が見込めます。

災害時のエネルギー確保、再生可能エネルギーの活用、そして地域経済の活性化という3つがエネルギーの地産地消の主なメリットになります。

エネルギーの地産地消デメリット

膨大なコストがかかる

エネルギーの地産地消のデメリットとして挙げられるのは、第一にコストが増大することです。

電気エネルギーは送電線を通って一瞬で遠方へ送れるため、流通コストの安い商品です。

この性質を最大限に活かすために、大量の需要を一つの電源で効率的にまかなう大規模集中型の電力システムが主流になっているのです。

エネルギーの地産地消の場合は供給源を分散化させてしまうので、電源一つ当りの需要が少なく、電力を供給するためのコストがまかなえなくなる可能性があります。

また、電源の分散化に伴い管理も分散化されてしまうので、電力システムとしても不安定になってしまいます。

消費側からすると電気料金が高い

消費者目線のデメリットとして、上述した大きなコストをまかなうために、地産地消エネルギーの電気料金は比較的高くなる傾向にあります。

地域内に競合他社がほとんどおらず、価格競争が乏しいことも電気料金を高くする要因となるケースも少なくありません。

加えて、再生可能エネルギーは天候や気候の影響を受けやすく、日常的な電気需要をまかなえなくなる可能性があります。

コストの増大とシステムの不安定性、またそれに伴う電気料金の高額化がエネルギーの地産地消の主なデメリットであると言えます。

エネルギーの地産地消の事例

エネルギーの地産地消の事例として、まずは官民共同出資による地域新電力会社の設立の例を挙げます。

千葉県銚子市

千葉県銚子市では2018年に協定に基づき銚子市、企業、地元金融機関が共同出資して、地域新電力会社「銚子電力」を設立しました。

銚子電力の主要電源は市内の風力および太陽光をはじめとする再生可能エネルギーであり、自然環境を活かしてエネルギーの地産地消を行い、地域経済の活性化を目指しています。

市が新電力会社の設立に関わる場合、市民をはじめとする市関係者の理解を得ることが課題になります。銚子電力は出資者への配当を行わず、利益をすべて地域貢献サービスなどを通して地域に還元することで、市が出資することへの理解を得ました。

東京都武蔵野市

銚子市よりも小規模なエネルギーの地産地消の例としては、東京都武蔵野市によるごみ焼却施設の余剰エネルギーを利用する取り組みが挙げられます。

ごみを焼却する際に発⽣する熱と電気を、市役所や体育館、公民館などの隣接する公共施設に供給する自立分散型システムを構築し、災害時の電力供給を行うことを目指しました。

ごみ焼却施設の建て替えを契機として2012年に合意形成が行われ、2017年に竣工、2018年に稼働を開始しました。合意形成については東日本大震災後という背景があり、災害に強い施設づくりへの周辺住民のニーズが高まっていたためスムーズに行われました。

東京都武蔵野市の事例は、災害時のエネルギー供給に特化したエネルギー地産地消の事例として特筆すべきものです。

ポイント

エネルギーの地産地消の取り組みは資源エネルギー庁で公開されています。興味のある方は是非チェックしてみてください。

知ってる?「電力の地産地消」|経済産業省 資源エネルギー庁

まとめ

  • エネルギーの地産地消は電力を地域生産・地域消費するという意味
  • エネルギーの地産地消は東日本大震災から注目されだした
  • メリットは災害時の電力の安定供給・地域経済の活性化
  • デメリットは電力コストが高い

エネルギーの地産地消の理念は、地域社会に貢献することが第一です。新しい電力会社を地域で設立したとしても、地域住民の同意がなくては経済効果などのメリットも半減してしまうでしょう。

地域住民が何を求めているのか、地域ごとの電力ニーズに合わせた事業を行う必要があります。地産地消エネルギーは、地域住民の合意の下でこそ力を発揮するエネルギーなのです。

▼地産地消を復習しよう▼

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